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中国Zhipu AIの「GLM-5.2」が「ミニ・ディープシーク・ショック」──米国最先端モデルに迫る性能でコストは6分の1

公開日: 2026年7月6日出典: Reuters

北京を拠点とするスタートアップZhipu AI(智譜AI)が公開した新モデル「GLM-5.2」が、コーディング能力とエージェント機能で高い評価を集めている。Claude Opus 4.8にわずかに及ばない程度でGPT-5.5とほぼ同等の水準でありながら、運用コストは米国最先端モデルの約6分の1とされる。業界からは「ミニ・ディープシーク・ショック」の声が上がっている。

GLM-5.2の評価と市場への衝撃

2025年初頭にDeepSeekが低コスト高性能モデルで市場に衝撃を与えて以来、AI業界では価格を抑えた中国製モデルか、巨額開発投資で高性能を実現する米国製かという構図が続いてきた。GLM-5.2はこの格差を埋める存在として注目を集めている。

開発者向けプラットフォーム「OpenRouter」の利用ランキングでは、GLM-5.2がAnthropicの複数モデルを上回る利用実績を記録。Snowflakeのスリダー・ラマスワミCEOや著名投資家のマーク・アンドリーセン氏もその性能を高く評価している。

トランプ政権でAI・暗号資産政策責任者を務めたデービッド・サックス氏は「OpenAIやAnthropicが現在提供しているモデルと同等レベルの中国製オープンウェイトモデルが登場した」と述べ、米国企業の競争力を損なう政策への警鐘を鳴らした。

性能とコスト競争力

AI評価機関Artificial Analysisの総合知能ランキングでGLM-5.2は5位に位置する。ウェブサイトやフロントエンドアプリケーション生成能力を競うCode Arenaでは2位に入っている。

サックス氏はポッドキャストで「GLM-5.2はClaude Opus 4.8にわずかに及ばない程度でGPT-5.5とほぼ同等の水準だ」と評価。運用コストは米国のクローズドモデルと比較して約6分の1とされる。

Hugging Faceの元アジア太平洋責任者ワン・ティエジェン氏は「GLM-5.2によって、オープンソースモデルが『導入してすぐ使える製品』へと進化した」と説明。従来は高度なチューニングやシステム構築が必要だったが、導入直後から実用的なレベルで利用できるという。

規制環境と米国の競争力への影響

AnthropicのClaude Fable 5に対する輸出規制や、OpenAIのGPT-5.6の一般公開遅延が、GLM-5.2への国際的な関心を高めた要因として指摘されている。AI安全性コンサルティング企業Concordia AIの創業者は「開発者の間では、米国のクローズドなAPI経由モデルだけに依存することのリスクが強く認識されるようになっている」と語る。

一方で、データセキュリティへの懸念から、特に米国の規制産業では中国製AIモデルの採用に慎重な姿勢が根強い。しかし、米国のクラウド環境や企業独自のサーバー上で運用すればデータ保護の問題は軽減できるとの意見もある。

中国製オープンモデルの台頭

米ランド研究所の調査によると、DeepSeekのR1公開から2カ月間で中国製大規模言語モデルの世界シェアは3%から13%へ急増。特に発展途上国や中国と政治・経済的な結び付きが強い国々で利用拡大が顕著だった。

アナリストのポー・チャオ氏は「開発者にとって重要なのは、モデルがどこの国で作られたかではなく、実際に機能するか、コストが妥当か、安定的に利用・導入できるかだ」と指摘。ただし、GLM-5.2が一夜にしてOpenAIやAnthropicを置き換えることはなく、用途に応じて複数モデルを使い分ける形になるとの見方が一般的だ。

本記事の情報源
本記事はReutersの記事「アングル:中国の新高性能AIモデル登場、「ミニ・ディープシーク・ショック」か」をもとにdeepseek.tokyoが編集・要約したものです。